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HN:but 台湾人・留学生・台中在住。
ハロプロの話題は本家に書いています。
こちらは九州での留学生活や中国語・日本語の話題について書きたいと思います。
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2005年3月27日日曜日

[] 中華民国も簡体字を採用するつもりでした。  中華民国も簡体字を採用するつもりでした。 - 流浪在日本 を含むブックマーク

先日、私がコメント

実は中華民国も簡体字を実施するつもりでしたが、中国が先に実施したので、逆に政策を「伝統漢字を守る」ことにしました(笑)

ということを書きました。それについて、d:id:suikanさんがこんな感想をかきました。

そして、そのあとにコメント欄で「…(中略)…」というねたばらしがあって、自分の単純さに苦笑です。

どこの役人も胡散臭いな。

いや、結論から言うと、確かに政治の闇を垣間見ることができそうですが…、でも時代の背景をちょっと説明したいと思います。


時は終戦後漢字の使用国はみんな西洋の発展にびっくりしました。国家の発展の障害になるものを必死に探していました。そのなか、「教育」は問題だと分かりました。教育は普及していなかった。特に中国では論語や、四書など、中国語は難しかった。すでに民国初年に、胡適などの学者が「白話文」を提唱しており、話し言葉と違う「文言文」を専門の国学にしていた。しかし、中国語は依然として難しいです。文字は難しくて、何千字もある漢字を教えるのが何年もかかります。これに対して、英語には26個のアルファベットしかありません。

そのため、「漢字は簡単化すべきだ!」「ローマ字を採用しよう!」の声は小さくなかった。ご存知の通り、韓国では漢字を不用にしました。今普通の文書にはハングルしか使いません。ベトナムでも漢字を廃止し、今はローマ字に専念しています。

日本でも「漢字は廃止すべきだ」のことが小さくなかったようです。 戦後から1年過ぎて、当用漢字表を頒布し、新聞や、教育*1で使う漢字の量を制限しました。さらに当用漢字字体表を頒布し、通俗の字体を採用して、バラバラになっている漢字の字体を統一しようとしていた。

そのごろ、中国では国民党と共産党の内戦が続いていた。


中国では、漢字の簡体字は千年前から存在していました。正式的に言うと「俗字」です。はじめて政令で簡体字を採用したのが太平天国らしいです*2。太平天国の旗・切手などの文物では、国名の「国」は「國」であく「囯」でした(中は玉でなく王であることにご注意ください)。また、硬貨の「康熈」の「熈」のノを削して煕にしました*3。他にも宝は「寶」でなく「寳」を使っていたなど。太平天国政府の宣伝品でも通俗文字で配布されているという。しかし清が太平天国を消滅してから太平天国の文物は破壊され、今はあまり残っていない。本当に政令で簡体字を採用していたか証拠は薄いです。さらに歴史は13年しかなく、国とは言えるかかどうか争論もあり、日本では、当用漢字字体表こそ始めて政令で簡体字を採用する一説もあります。

中華人民共和国が建国してから、やはり教育普遍できないことに対して、「漢字は難しい」が原因と考えました。漢字簡化方案を頒布し、一気に漢字を非常に簡単化しました。当時は「目標ローマ字化」まで語りました。

中華民国台湾)では、国民党も中国にいたときには漢字の簡単化をしたかったが、中国では簡体字が実施されてから、伝統を守る態度をしました。


とにかく、時代の背景は、漢字はまるで悪魔のような時代でした。廃止派と保存派の間、簡体字の推進はちょうどその微妙バランスかもしれない。まあ、簡単に言うと妥協の結果だ。


[] 「漢字は簡単化すべきか」について私の考え  「漢字は簡単化すべきか」について私の考え - 流浪在日本 を含むブックマーク

しかし、結果論から言うと、繁体字で教育している台湾でも教育率は100%達成できて、中国より高い現状です。 「漢字は難しい!」というのは教育が普及できない原因とは言えません。

逆に、中国の簡化字は漢字を簡単化しすぎて、外見が似すぎる漢字が増えました。たとえば「兒(児)」は「儿」になって、「几」とは間違いやすくなった。災害の災は「灾」に、消滅の滅は「灭」になってて、もともとはまったく違う漢字とはわからなくなりました。

また、無理やり合併した漢字もよくあって、「麺」と「面」は合併して、「冷面」を書くと「冷麺」か「冷面」か分からない。

草書の偏旁を大量採用した結果、「讠」「钅」「饣」「马」「鸟」「车」など、楷書体ではどうしても綺麗に書けない漢字が非常に多くなって、「没」と「设」のような間違いやすい文字も増えました。


簡体字の書きやすさは否認できません。否認自体はしたくない。なぜなら私も速記の時に、時々簡体字を使います。しかし、あくまで速記です。中国では千年前から俗字が使われているように、簡体字は書くときだけ使っていいとおもいます。印刷まで簡体字を使う必要性はまったく思っていません。

さらにパソコンの普及によって、繁体字にせよ、簡体字にせよ、入力にかかる時間は同じくなりました。 簡体字の優勢はどこに?


結論として、繁体字を守っている中華民国には誇りを持っています。

追記:簡化字に対して、中国でもこんなポエムが…

廣東在掃黄,所以廣內無黃成了「广」

工廠內沒有機器,只有人(並不寬「敞」),所以廠成了「厂」。

「広」の本字は「廣」で、広東では風俗追放キャンペーン中国語では「掃黄」)しているので、「广」にしました。

工場(中国語では「工廠」)のなかは機械がなく、広くないので(「敞」は広い意味です)、「厂」にしました。

「亲」不见、「产」不生、「厂」空空、「爱」无心。(順口溜)

親に見ず、生産せず、工場は空っぽ、愛は無心。

[] そして「内」の話題に戻ります  そして「内」の話題に戻ります - 流浪在日本 を含むブックマーク

(衝撃の)画像が見つかりました。

これは書聖と呼ばれている「王羲之」の字です。今から1700年前のものでした。中は「人」でした。


実は、隷変した以来、書法では「内」の中は「人」が断然に多かったです。


隷変というのは、小篆が隷書になったとき(漢代の頃)、漢字の形が巨大に変わったことです。

たとえば、「香」という漢字の小篆は「黍」の下に「甘」でしたが、隷書では黍の下の部分を一気になくし、「甘」も「日」のようになりました。「言」も小篆までは「辛」の下に「口」でした。他にも「辵」が一気に「辶」にしたことなどが挙げられます。 実際、隷変で漢字の形が一気に簡単化しました。中国も隷変を理由として、漢字簡化の正当性を謳っています。

隷変した文字を、漢字の正しい書き方の考証はどれまで直すべきか非常に面白い問題になります。「言」を「辛/口」で書いたら間違いなくバカにされるし、「奥」の上の部分を「宀」に直したら誰もわからなくなります。


「内」はちょうどどう書いても分かる文字ですね。


この中が「人」の「内」でも二千年の歴史が持ってます。少なくとも楷書体ではそうです。

面白いのは、活字技術発明された以来、印刷体で使われている宋朝体・明朝体には、「内」の構えの中は「入」でした。誰が気づいてただろう。


曜日の「曜」でもこういう文字です。あなたは「羽」で書きますか、それとも「ヨヨ」で書きますか(参照:小駒勝美・漢字のこぼれ話-「曜」はどう書くか)。

*1:そのあと教育漢字頒布しました

*2中国の簡体字支持論者の論点より

*3:今台湾でも煕を使っていますが

QianChongQianChong2005/03/28 22:58buttwさん、おもしろいですねえ。本にできますよ。少なくとも台湾の視点から見たこの種の漢字の話、日本ではほとんど見たことがありません。日本人の「中国語」学習者(私は中国語という括り方に抵抗があるのでカッコ書きにしますが)はその大半がほとんど簡体字に何の抵抗もなくなじんでいます。私もかつてはそうでした。ただ、多様な意味を表現しきれないじゃないか(buttwさんの挙げていらっしゃる“冷面”のように)と思って、徐々に繁体字に興味が向くようになりました。この問題は「中国語」学校によってはほとんどタブーでさえあります。私が一度、大陸出身の教師とこの件で議論になった際、かなり怪訝な顔をされたことが忘れられません。そんな議論が出てくること自体が不思議、といった顔でしたねえ、あれは(^^)。

buttwbuttw2005/03/29 00:47>QianChongさん 「像」と「象」はすでに混乱になっているようです:http://www.pep.com.cn/200406/ca522816.htm 。
小さい頃から簡体字を今まで使ってきた人にとって、「面」は元々二文字ということがびっくりですね。 なんかその「かなり怪訝な顔」が見たいですw。

tinuyamatinuyama2005/03/29 01:27以前自分がアメリカにいた時のことなんですが、大陸出身の年配の先生が、若い中国人留学生に「複雑」と「復習」のfu4は本来違う漢字なんだと説明していた場面を見たことがあります。大陸の方でも早い時期にアメリカに移民したような人の中には簡体字に批判的な方もいらっしゃるようです。

buttwbuttw2005/03/29 13:48>tinuyamaさん 中国の中でも簡化字の反対派がいますね。しかし影響の範囲を考え、恐らく簡化字政策はもう変わることがないと思います。 四年前に、中国では語彙の規範表を頒布され、「旗誌」「旗識」のような違う書き方が存在していることばを統一するつもりです。その中、「縁份」も「縁分」に統一されましたが、「身份」を「身分」に統一する用例がなかった。どうやら全国の12億枚の身分証も「身份」で印刷されていて、国家が正しい書き方を「身分」に規定するとしたら、全部作り直しなければならなくなり、そんな予算がないらしいです。

buttwbuttw2005/03/29 14:06>QianChongさん 考えたら「日本人の中国語学習者はその大半がほとんど簡体字に何の抵抗もなくなじんでいます」ということが非常に面白いですね。私は漢字好きで、繁体字も簡体字も小さい頃から読んでますが、友達の中、中国の簡化字に激しく抵抗している人がよくいますよ。
たとえば、去年ある友達が日本へ行くつもりで、電車の情報が知りたくて、私はJR東日本の簡体字中国語版のページのURLを挙げたんですよ。結局友達から「日本語か英語のページでいい、簡体字はなんか嫌」って、私はびっくりしましたね。しかしそれから、他に何人からも同じ意見でした。
恐らく、日本の方にとって、所詮外国語ですから、漢字でも違う書き方は普通だって考えて、台湾の人々にとって、同じ中国語なのに、なんでこんな形にしてるのよっていう気持ち悪さが感じるではないかと今思います。
まあ、私自身も繁体字+””について違和感がするっていってたし。大体同じかな。

QianChongQianChong2005/03/29 16:31buttwさん:あまり一般化してもいけないけれど、日本人の「中国語」学習者が学び始めるとき、簡体字がとても新鮮でかっこよく思えるんですよ。ちょうど大陸の若い人たちが繁体字をかっこよく思って、名刺などに率先して繁体字を使ったりするのと正反対です(^^)。それと“標點符號”ですが、私は大陸で学んだので完全に大陸式です。繁体字+大陸式“標點符號”は、おっしゃる通りちょっとアンバランスかもしれないですね。私は日本語の語彙か「中国語」の語彙かが一目でわかる、という理由だけで中文には“”を使っていますが、翻訳原稿を台湾の方に校正してもらうと、たいがいは“”を「」にするよう指摘されます。

bepperbepper2005/04/06 02:30こんにちは、buttwさんのこちらのページの存在を初めて知りました。ところでハングルの漢字廃止の話で、昔韓国人の学者が書いた面白い論文をどこかで読んだことがあります。漢字教育を廃止してしばらく経って、やはり若者の世代で、みなさんのおっしゃる中国で起きているような語彙の混乱が起きているそうです。今の韓国の文語は、漢字のない日本語文のように音だけで表記をするようになっているので、ある世代以下は抽象的概念の理解力が育っていない、といって嘆いてらっしゃいました。以上ヨコヤリで失礼しました。

suikansuikan2005/04/07 23:17掃黄の話面白かったです。昔「科挙の出題の中の文字が『帝の首を刎ねる』ことを暗示していると問題になった」という話を聞いたのですが、探してもわかりませんでした。