オボエテタンゴ

2016-10-25砂時計

高校時代の同級生が、NHKのドキュメンタリー番組に出演するという情報が入った。

陸上部だった男子が、世界的なファッションデザイナーですと!!

こりゃまたびっくり!!

意外すぎる~!!


これは私の超偏見で申し訳ないのだけど

ファッションデザイナーって、ショーの最後に出てきて

外国人モデルに囲まれて、花束もらって自ら拍手して

男性でもちょっと中性的なイメージが濃厚だ。

(これでもかなりオブラートに包んでおります)


しかし瞼に浮かぶその男子は、いつも穏やかに微笑んでいて

柔らかな物腰で、放課後は黙々とグラウンドを走っていた。

確か長距離の選手だったはず。

制服よりも、ジャージ姿の印象が強い彼がデザイナーですって!?

えぇぇ~


なので恐いもの見たさというか、軽いミーハー心でテレビを点けたら

画面に映し出される彼は昔のままで

穏やかに微笑みながら、柔らかな物腰で、黙々とデザインをしていた。

何故かもうそれだけで、泣きそうになる私。


彼の作る婦人服は、流行りに左右されずに一生着られるもの。

生地のデザインから手掛け、細かな模様も全て手描き。

刺繍による花柄は、立体感を出すために何度も手直しをしていた。

形はとてもシンプルだけど、温かみのあるデザイン。

あぁ、どこかで見たことあるな。

どこだったっけな。


昔からファッションに興味があった訳ではない。

絵が得意だった訳ではない。

手先が器用だった訳でもない。

それどころか、服飾の専門学校を留年するほどの劣等生だった彼。

だけどこの道に進むと決めたからには、諦めずに黙々と努力を重ねてきた。

次第にその才能が認められ、数々の賞を受賞。

東京都のシンボルともいえる施設のユニフォームをデザインし

海外のデザイナーとコラボした家具も注目を集めている。


すごい!

すごい人だったのね!

でも、全然偉そうではなくて、穏やかな雰囲気はあの頃と全く同じ。

何度も言うけど「黙々」という言葉が一番しっくりくる。

ここまで来るのに、きっと数えきれない挫折や苦労や葛藤があったはず。

それでも彼はずっと静かに乗り越えてきたのだろう。


新作の生地のデザインに、旅先で見た砂時計をモチーフに悩んでいた。

さらさらと落ちる砂のイメージが、なかなか表現できないらしい。


「砂時計を人生に見立ててみました」

「残りの時間は減ってゆくけど、経験や思い出は増えてゆくから」


ごぉぉぉぉぉぉ~んんんんんんんんんん・・・・・


同級生の言葉だからか?

50歳目前の歳になったからか?

私はこの言葉が頭にも心にも、すごくすごく響いて

やはり世界に出る人は違うな、と。

彼のデザインには、こうした想いが詰まっているから

多くの人々を惹きつけるのね。


皆川くん、ありがとう

この先の人生に疲れたら、あなたの言葉を思い出します。

あぁ高校時代、もっと話かけりゃ良かったなぁ~


本日のオボエテタンゴ

女红

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針仕事

ランニングと「黙々」つながりなのかしら~