オボエテタンゴ

2017-04-29五十の小娘

お世話になっているバリ舞踏のH先生が、本を出版されることになった。

ご自身の師匠であるニ・クトゥッ・アリニさんの舞踏人生をまとめたものである。

先日、バリからアリニさんを招き、出版記念パーティが行われた。


アリニさんは御年74歳。

今なお現役の舞踏家だ。

バリ初の芸術高校、芸術大学の一期生で

これまでずっとバリ舞踏界をけん引してこられた方である。

日本でいうと、人間国宝みたいな偉大さなのではないだろうか?

私は今回初めてお会いしたのだが、まぁ小柄でニコニコした

かわいらしいおばあちゃまであった。

バリ人ならではの、温かい微笑み。

柔らかい口調(私の語学力では0.1割くらいしか聞き取れないが)。

アリニさんの周りには、目に見えないけどお花が咲いていて

やさしい風が吹いていて、お香の香りがするような気がした。

同じ空間にいるだけで、癒される~~


が、しかし。

踊りが始まると別人であった。

特に後半は踊りの物語の世界に入り込んでいて

その肉体と動きは、とても74歳のものではなかった。

驚愕。

そして衝撃。


バリ舞踏は優雅に見えるけど

実際にやってみると、上半身は羽交い絞めにされる感じ。

下半身は常に空気椅子状態というハードさである。

私が10年振りにお稽古に復帰した時

何度も酸欠で倒れそうになり、1週間は筋肉痛に泣いた。

自分より年上のH先生のタフさにも、常々驚いてきたが

更に更に年上の、アリニさんの軽やかさといったら、もうっ!!


H先生もアリニさんも、日ごろストイックに筋トレをしている訳ではない。

近頃流行りの肉体美自慢芸能人のように、腹筋が割れている訳ではない。

正直申し上げて、普通のおばちゃん体型である。

なのに何故、あの体勢を保てるのか?

何故に激しい踊りでも、さほど息が乱れないのか?

なーぜーーーっ?!

その答えは本の一節にあった。


「力はいただくものですよ。自分の中から出そうなんて思ったらいけません」

「自然はこんなにもパワーに満ち溢れているじゃないですか。そこから、力を分けていただくのですよ」


うむむ~~

深いです。

お稽古の度に息も絶え絶え。

毎回お尻が四つに割れそうな筋肉痛に苦しむ私にも

その力を分けていただける日が来るのでしょうか?


今ではこんなヘタレ外国人である私でさえ、自由に踊ることができるバリ舞踏であるが

昔々はいろいろと厳しく、バリ人でも選ばれた人しか踊ることは許されなかった。

そんな選ばれた人でも、結婚した女性踊り手は引退する風習だったそう。

しかし結婚、出産後も踊りを続けたかったアリニさん。

彼女の気持ちを後押ししたのは、当時バリに留学していた日本人女性だった。

50年前、42歳で単身留学されたというその方の行動力にもびっくりだが

92歳の現在、来賓としてパーティにいらしたお姿を見てもっとびっくり!

おしゃれなスーツを着こなして、ハイヒール履いて、背筋ピーンでっせ!!

今も舞踏学校の現役教員ですって!!

上半期一番の驚きが、一夜にして二回も!!


50歳の自分が小娘に見えました。

年齢を言い訳にしてはいけませんね。

中高年の皆さん、まだまだがんばりましょう。


本日のオボエテタンゴ

吓坏了

xia4huai4le

とてもびっくりする

その夜はなかなか寝付けませんでした