オボエテタンゴ

2018-09-18手術前日

手術日の前日朝から入院で、指定されたナースセンターへ行くと

入院手続き待ちの患者で渋滞していた。

そこは女性病棟で、患者は乳腺外科と婦人科のみである。

それでこの人数、、、何度も言うけど、どんだけー


私のベットは、共同の洗面所が付いている4人部屋。

看護師さんが「今日から入院のlingさんでーす!」なんて

紹介することもなく、静かに入る。

だって皆さん、カーテンぴっちり閉めてるし!

誰も出てこないし!

都会の病院は、こんなものなのね。

まぁ、後々には同室の方々と仲良くなれたけどね。


荷物の整理、アナムネ(看護師による聞き取り面談のようなもの)

病棟の説明などを受けていたら、あっという間に昼食だった。

あぁ~夢にまで見た、上げ膳据え膳生活の始まりである。

息子を出産以来だから、10年ぶりか?

しかも今回は赤ちゃんのお世話もなく

好きなだけ寝られるし、読書もできる!

自分だけのために使える24時間!

嬉しーーーっ!


そんなにおいしい食事ではないけれど

献立考えず、買い物にも行かず

後片付けもしなくていいなんて、最高じゃない?

人生でこんな期間があってもいいんじゃない?

しみじみ幸せと白米を噛みしめていたら

「lingさん、そろそろ検査の時間です~」って呼ばれちゃった。

本日のメインイベント。

『センチネルリンパ節シンチグラフィー』である。


乳ガンのガン細胞は、リンパの流れに沿って

最初に到達したリンパ節を必ず通ってから

全身に広がる性質があるらしい。

その第一関門、脇の下のリンパ節集結場所みたいな所を

『センチネル(見張り番の意味)』という。

乳房そのものの手術中に、この脇センチネルを少し切り取って

すぐに転移の有無を病理検査する。

有の場合は、リンパ節までごっそり切除。

無の場合は、そのまま縫合。


で、このセンチネルの場所を見つけやすくするため

前日に色のついた放射性医薬品をリンパ節に流しておく。

薬剤を乳輪皮下に注射するってさ!

ぴや~~っ(◎_◎;)

場所が場所なだけに!痛そーーーーっ!

って、大したことありませんでした。

普通の予防接種くらいの痛さかな?

数時間後、薬剤の流れをレントゲン撮影でチェックする。

これで明日の手術時間が、大幅に短縮されるんだって。


終わってやれやれ~と病室に戻ったら

小型犬A先生が小走りで来てくれた。

私がまだ再建について悩んでいるのを知り

I先生が今ちょっと立てこんでいるので、、、

と申し訳なさそうに前置きして

放射線治療の可能性

再建した場合の治療への影響

いろいろいろいろ、お話してくださった。

はぁ~、くりくりお目目が可愛いなぁ!(ポイントはそこじゃない)

それでやはりI先生のご提案通り

リンパ節への転移が有の場合は、再建しないことにした。

ファイナルアンサー!

決定です!


それでまたやれやれ~と思ってたら

間もなくしてI先生が、音もなくするると登場。


「遅くなってすみません~」

「Aから聞きました。ご不安は消えましたか?」


はいぃぃ!!

身体に決めてもらいますっ!!

ついでと言ってはナンですが、、、


実はMRI検査の後、電子カルテ上に映る映像をチラリと見て

左胸にも小さな影があったような気がした。

専門家の技師と、専門家の複数の医師が見て

左胸は異常なしと診断しているのに

私はどうもそれがひっかかっていた。

でも聞くのはクレーマーみたいで

素人のおばはんが何言ってるの?と思われそうで

言い出せなかった。

しかしこのまま全身麻酔で手術して

万が一、三途の川を渡っちゃったら

泳いで帰ってこられない!と思い、勇気を出して聞いてみた。

するとI先生はあら~って感じで


「ちゃんと検査したから大丈夫ですよ~」


と笑ってくれた。

そ、そ、そ、そうですよね!?

先生方が見落とす訳ないですよね!?

つまらない事聞いてすみません~(+o+)


「でも後で画像を見ておきますね」


去り際、I先生は微笑みながらそう言った。

忙しいのに、悪かったな~

我ながら、気にしすぎだよな~

でも聞けて良かった!

またまたやれやれ~と思っていたら

I先生が何やらペラ紙を持って、再びするる登場。


「やはり大丈夫でしたよ~!」


それはMRI検査の画像と、診断結果を印刷したものだった。


だばぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーっ(心中号泣アゲイン)


わざわざプリントして持って来てくれた!?

忙しいのに!?

一患者の些細な気がかりのために!?


実は私、それまでI先生に対して、K先生ほどの信頼を寄せてはいなかった。

良い先生であることは分かっていたけれど

この先生なら、任せられるとは思っていたけれど

なにかこう、あと半歩くらい距離があった。

でもこの一件で、すごく安心してI先生を拝みたくなった。

ありがとうございます!!

明日、よろしくお願いします!!


感謝と感動に震えていると(嘘)

今度は形成外科のU先生が、若手を数人連れて来た。

術式の説明、確認と、患部のマーキングをするという。

立った状態と手術で寝た状態では、乳房の位置が異なるので

事前に印を付けておくそうな。

こ、これはまたしてもプレイか!?


ベットの横に、半裸で立たされる私。

U先生の指示の元、マーキングをする若手男性医師。

それを直立不動で見つめる、若手男性医師2名と女性看護師1名。

静寂の中、響く油性マッキーのキュキュッ音。

上半身の正中線、アンダーバストのライン、膨らみのラインなどをなぞられ

これで腹筋を6パックに描けば、仮面ライダー?

そんなツッコミを入れたくても

形成の先生方は皆さん真面目で無言で

粛々と作業に集中のため何も言え~ず。

U先生の寝ぐせの後ろ姿を、見送るだけしかできなかった。

先生、今夜は良く寝てくださいね。


夕食後、シャワー室の鏡で見た上半身は、

マーキングがすごくて我ながらプププだったけど

この右胸と今夜でお別れかと思うと、ちとしんみり(;_;)

学生時代から貧乳と言われ続けていた胸が

妊娠・出産で大きく様変わりしたのには驚いた。

娘を産んで、初めて授乳した時。

吸引力の強い息子に噛まれた時。

乳腺炎になってカチカチに固まってしまった時。

ドロドロの母乳を絞り出すマッサージは、出産よりも痛かった。

息子が卒乳してからというもの、痩せたというより削げてしまい

授乳全盛期の大きさは、まぼろしだったのでは?と思った。

こんなに色々とがんばってきたおっぱいを

切り取らなければならないなんて!?


命のためということは分かっている。

だけどさ、女性の人生って喜びと引き換えに

身も心も削られることが、男性より多い気がするな。

だから男性より長生きして

人生の後半を思い切り楽しむようになっているんじゃないかな?

私は明日、身体の一部を失ってしまうけれど

失った分を埋めて有り余るほどの

新しい何かを得られるはず!

まだまだ続く~

長いー


本日のオボエテタンゴ

翻两番

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4倍増し

授乳中はまさにコレだった!遠い目、、、