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2008-08-31

『高三』 00:16 『高三』 - Le Jardin chinois 外文版 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『高三』 - Le Jardin chinois 外文版 『高三』 - Le Jardin chinois 外文版 のブックマークコメント

そういうわけで、昨日の夜中国インディペンデント映画祭で『高三』を観て来ました。とっても良かったです。


☆以下ネタばれ含む感想☆


内容は、中国の地方(福建省)のある高校三年生の1年間を追ったドキュメンタリー。

大学に合格して都市に出ることが、将来を切り開く唯一の道として奮闘する先生と生徒たちの1年間。こういう状況は、多分今の中国ではどこでもあることなんだと思います。

そこが、日本とは随分違いますよね。

日本も、確かに大学を出れば将来の選択肢は広がるかもしれないけれど、それだけを唯一の道と考えて上を上を目指すという気風はそこまで強烈ではないだろう…と思うくらいすさまじい勢いの彼らなのでした。

もちろん、どちらがいいという問題ではありませんが。


まず机の上に乗ってる本の量が違う!

今、日本の高校生、こんなに本読んでるかしら~??

そしてあんなに暗くなるまで勉強してるかしら。

少なくとも私は、本は好きで読んでいたけど暗くなるまで勉強してた記憶ってあまりないなあ。ダメ高校生でした。


なんと言っても印象深かったのはやっぱりクラス担任の王先生です。

こんな先生、日本には少ない気がするなあ(いない、とは思わないんです。私自身もたくさんの素晴らしい先生に出会ってきたから)。

こんなに生徒のことを信じてくれて、叱ってくれたり励ましてくれたり、連れ戻すために探しに来てくれたり、全部肯定して見てくれる人がいるのって幸せだと思う。

国語の先生だけあって、良く詩の引用をしたりする。

そして、保護者会で「離婚なんてもっての他です。せめて受験が終わってからにしてください」って、真顔がコミカルで笑った(笑)。

ときどきそんなユーモアが挟まれながら、彼らの人生の一大イベントは進んでいきます。


ネカフェに通い詰める二人の生徒がまたちょっと印象的。

一人が、ネット中毒なんかじゃないよって言ってたけど、話を聞く限り立派なネット中毒な気が…。

彼らも、もちろん大学入学を希望しつつも、結局二人とも浪人。

なかなか難しいものです。


女の子達が、殊更に「女だけど村で唯一高校に行った」「両親の期待が…」と性別を意識してるのもなんだかいろいろと思わせるものでした。


全部羅列していたらそれこそもっともっと長くなるくらいの、悲喜交々のエピソードが出てきますが、それらの一つ一つを観る度に、自分の場合はどうだった、そういえば同じクラスの誰々さんはこうだった、中国で知り合った彼女の場合はこうだったと、自分や身近な人のエピソードが浮かんでは消えていきました。

監督の言葉で、「ドキュメンタリー映画を観て観客が何かを感じるのは、それらは全て実際の生活で起こったことだからだ。(中略)この映画の意味は、30歳になってからじゃないと分からないだろう。」という意味合いの文章があったんですが、確かにそうだなあと思います。

この言葉の最初の部分なんて、何言ってんだ当たり前だろう、って思ってたんですが、実際に観ると、やっぱりドキュメンタリーにはドキュメンタリーの魅せ方があり、感じ方があるのだと実感しました。

まだ30ではないですが、それなりに三十路が近付いてきて、なんとなく監督の言わんとするところも分かる気がする。


ちなみに自分は受験というものにまったく興味が持てなくて、将来のこともいつもそれほど真面目に考えていたわけではなく、のんべんだらりと過ごしてました。

だもんだから、高校受験のときも大学受験のときも殆ど受験勉強らしい勉強はしてなかった。

高校三年生のときは一応現役で予備校に通っていたけど、あまり身を入れて勉強していたとは言えない(不出来な子であった)。

東大とか京大とか早慶目指すならいざ知らず、そうじゃないならどこでも入れるところに入って、好きなことやればいいだろうと考えてました。

両親は、学費のこともあるのでできれば国公立に入って欲しいと考えていたようですが、私の大学選びの唯一の条件は第二外国語に中国語があるということ。

高校生の頃から中国語が好きで、自分なりに勉強したりしていたけど、専攻で中国語をやろうとはこのときは考えてなかった。

何しろ他にも好きなことがいっぱいあったのだ。

結局第二外国語に中国語がある公立大学へ入学。


大学に入った後、そもそも1年のときなんて授業は一般教養ばかりだし、めちゃめちゃつまらなく感じて、適当に出席のバランスを考えながら時間をとっては東京に演劇観にいってました。

だけど4年で卒業できなかったら嫌だから単位だけはそつなく取っていた(結局後で蘇州でぶらぶらしていて4年では卒業できなくなるのだが)。

ダメ大学生でした。

中国語も、あまりの発音の難しさに殆ど挫折して、2年次には取らず、自分でぼちぼち勉強するにとどめるという、つまりは逃げに入ったわけですな。

相変わらず小劇場に演劇観にいく日々でした。


あとは多分どこかに書いたけど、2年生のある日、なぜだか突然うちの大学に中国との交換留学制度が出来、それを見た途端なぜだかどうしてもそれに参加したいと考え、演劇を観にいくのもやめて中国語の勉強と貯金と奨学金の獲得に力を入れ、家族の反対を押し切って留学し、中国語関係でメーカーに就職し、中国語関係で転職が決まり、今に至る。


うーん。

映画の感想を書くつもりが自分のことだけだらだら書いてしまいました。

だけど、映画そのものが素晴らしかったと同時に、それに触発されて(?)いろんなことぶあ~っと思い出して、つい書き連ねてしまいました。

『高三』大変お薦めです。

中国インディペンデント映画祭は9月5日までポレポレ東中野で行われています。

お時間のある方、ぜひ一度除いてみてください。

私はドキュメンタリーフィルムに対する考え方が随分変わりました。

これからもこまめにチェックしてみたいと思います。


最後になってしまいましたが、会場でお声掛けくださったid:Ctransさん、映画につきあってくれたYumeiさん&N村さん、有難うございましたm(__)m

とっても楽しい夜でした!

CtransCtrans2008/09/01 09:04「高三」、貧乏揺すりをしながら熱く語る王老師のイメージが今も頭から離れません。高校生だった自分と重ねて、いろいろと考えさせられる良い作品だと思います。たくさんの人に見ていただきたいですね。素敵なイベントを教えていただき、ありがとうございました!

sanfusanfu2008/09/01 21:22いえ、いえ、私なんて本当に勝手にチラシを送りつけてしまったというのに、来て頂けてとても嬉しかったです。こちらこそありがとうございました!
『高三』、先生の素晴らしさに本当に感動しました。これほどの作品がなぜ中国国内では上映されないのかと、残念な気持ちです。私は、日本で観ることが出来て幸せだったな~と思いました。ぜひ多くの人に来場していただければと思います。

YumeiYumei2008/09/01 23:42わー、すごくしっかり感想書いてますね~尊敬☆☆

先生が生徒の性格を見極めて、真心こめて違った指導法をしているのが印象的でしたね。
また何かあったら、誘ってくださいね~!

sanfusanfu2008/09/02 23:00なんか、途中から自分の話ばっかり書いちゃったけど…(^-^;
でも本当に、先生のストレートさに心打たれた!
うん、またなにかあったらぜひ声かけさせてくださいな♪