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2017-03-31猫の惑星0 自序

http://www.kanunu8.com/book3/8026/175695.html

自序 

  

 私は自分の作品に序文を書いたことがない。面倒だから――これが一番もっともらしい理由だ。それだけでなく、言うべきことは全て作品の中で言い尽くしているのに、くどくど解説する必要あるだろうか。それに自画自賛はよくない。自己卑下も割に合わない。むしろ何も語らぬのがよい。 

  

 今回、現代書局が『猫の惑星』に序文を載せよという。なんと難しい注文だろう。シェークスピアを引用するにも本を開いて確認するほど記憶力が弱いし、自分の出自来歴を語れば長く嫌味になる。腹の半分に不平不満を抱えて泣いたり喚いたりしてもみっともないだけだ。―― もともと風采の上がらない人間なのに。どうすればいいか。 

  

 仕方ない、こんな風に言っておこうか。『猫の惑星』は悪夢だ、と。では、なぜこの作品を書いたのか。最大の理由は――腹がいっぱいになったから。だが出来栄えはよかった。というのも、二番目の姉の息子、私の甥っ子が親指を立てて称賛してくれたのだ。自分としては不満がないとは言えない。ユーモアに欠けている。しかし腹いっぱいで大笑いして腹の皮が裂けたら、それから先はどうやって物を食べればいいのか。不満はあるがどうしようもない。人はパンのみにて生きるにあらず。そうとも、ハムくらいつけてほしいものだ。 

 二番目の姉は悲観的すぎると言う。私が「猫人間は猫人間だ、我々とは関係ない、悲観的だろうとそうでなかろうと構わない」と言うと、彼女はしきりに頷いた。  

  

 甥っ子は私に「おじさんは何派の作家?、どの階級?、どういう立場で発言するの、もしかして脊椎動物?」と尋ねる。私は甥っ子にリンゴを5キロほど買ってやり、あいつの口を塞いだ。それ以上質問がなければ安心して寝ることができる。夢の中で見たことを、こんどは『犬の惑星』に書くことができるかもしれない。これを自序とする。 

年月日、目覚めたばかりではっきりしない。 

―――<次の日>に続く

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